2. 音量アップと音質調整
音量調整、イコライザなどの調整方法は2つ以上ありそうです。その中で試した設定方法を紹介します。
- 音量確認 — Fairlightモードで再生して音量計 Integratedの値で確認
- 0の意味: ディフォルトで -23 LUFS (ラウドネスの単位) — TV放送用
- YouTubeなどのビデオは音量が大きく -13 LUFSくらいと言われています (非公式に)
- 右下の歯車アイコンからFairlight設定
- -23は-13に変更できますが、プロジェクトごとに設定が必要なので、面倒であれば、Integratedの値が10になるように音量を上げればよいでしょう。
- 各トラック (クリップの音声) — 右クリックして、Normalize audio (True Peak, EBU 128など)
- 複数トラックの音量がだいたい同じになります
- 各トラックにFirlight FXから選んだイフェクトを追加できますが、ミキサーでもできるので、ミキサーのほうで説明します。
- Fairlightモードにして、ミキサーで (イフェクトの) インサート、EQ、ダイナミクス
ターゲットLUFSの設定
- 右下歯車、Fairlight、
- Target Loudness Level (-23を-13に変更)
- Save (保存)
Fairlightのラウドネスメーター (Integragedに注目)
- マスター (Main 1) が表示されているか確認
- 再生する — 2回目以後はResetして、Start (PauseボタンがStartに変わる)
- マスターフェーダー (画面右下) を調整して、Integratedの数値が-0.5から+0.5になるようにする
- ただし、ターゲットがディフォルト-23の場合は、-13にするために、+10になるまでフェーダーを上げる
- 聞いた歪を感じるなら、少し下げる
- マスター (Main 1) のイコライザ、ダイナミクスを調整して、再度ラウドネスを確認 (最終確認は1曲を全部再生) — 次に説明します
Fairlightのミキサーでのインサート、イコライザ、ダイナミクス
- +: イフェクトのインサート (後述)
- EQ: ここを押すとEQ設定画面が出る (初期設定はフラット) — Multiband Compressor他
- Dynamics: Expander/Gate、Compressor、Liniterの3つの設定画面が出る
- ここでは、M1 (マスター) に適用しますが、複数の音声トラック (クリップ)がある場合は、それぞれにも適用できます
EQ (イコライザ) — フラット青線をクリック
- 音量を稼ぐために無駄な低音を減らす
- Band 1のハイパスフィルタがoffになっているのでONに
- 一般に低音のエネルギーが大きいので、40Hz以下を減らすと良い
- 右上のEqulization Typeを変えると特性が少し変わる
- 他はお好みで調整 — 下のダイヤルまたは、上の線の◯数字を引っ張って変更
- 右端のハイパスフィルタはディフォルトで無効なので、使う場合は有効に
- 左上の赤マークを押すと、EQ off (ミキサーでは青線がグレーに)
- 聴き比べる
- 音量が変ったなと思ったら、右のGainでだいたい同じ音量になるように調整
ダイナミクス — Dynamicsをクリック
- Masterでは、CompressorとLimiterの2つ、他のチャネルでは、Expander/Gateも同時に使える
- Comp, Limiterそれぞれボタンを押してon/off切り替え
- この図では、縦の青線がCompのThreshold (しきい値)
- これを下げる (左) と効きはじめの音量が低く (よく効く)
- 効きの強さはRatioで調整 (マスターなので大きくする必要なし)
- LimiterのThresholdは横の青線です。保険的にかけるなら、Attackは最小。
- 3つの効き具合はそれぞれ、縦のメーターで確認
- Comp, Limiterそれぞれoff/on で聴き比べ、音が小さくなったら、Make Upを上げて調整
最後にインサート (multiband compressor) — +ボタン、リストから選択
- 複数インサートする場合、あとで順序を変える方法がないかもしれません。音の流れの上流から追加しましょう。
- この例では、multiband compressorだけをインサート
- 前述のCompは不要ですが、両方つかっても問題ないでしょう
- 前述のEQに近い機能があるので、EQなしでも問題ないでしょう
- defaultでは、4バンドすべて同じ設定になっているので変更が必要です
- Threshold — 効きはじめの音量
- Gain — 出力音量 (低音下げるならBand1のGainを下げる
- 他の設定項目は、情報収集して色々試しましょう。
以上