1A. レコーダー (R16) でミキシング
R16でのミックス作業を説明します。このセクションでは、DAWで録音したので、R16で収録したサンプル音源はありません。サンプル音源 (Raw 48kHz) を使う場合は44.1kHzに変換して、R16に読み込んでください。
PCを使わないので、コンピュータが苦手な人でも簡単にできます。
1. ドラムの音量バランス、位相確認、PAN (左右位置) 調整
まずはドラムの音だけ再生します
- キックのトラック: 位相反転 (マニュアル p.38) — 音はあまり変わらないかもしれません
- PANすべてセンター (初期位置) で音量調整 (実質モノラル)
- PANでステレオ感を出す
ビデオ撮影が右利きドラマーの正面の場合
2. 伴奏音源とミックスして、音量バランスを微調整
クリックなし音源とドラム音をミックスしてさらに音量バランスをとりましょう。
- キックの音だけ出して、伴奏音源のベース音と馴染む音量を決める
- 他の音を加えていく
3. 基本イフェクトの追加
EQ
- イコライザでドラムの各トラックの低音をカットする
- カットオフ周波数はキック、フロアタム… と低音楽器の順にあげていく
- 低音がよく出る再生装置で聞いて、音が変わる寸前までカットオフ周波数を上げていく
- オーバーヘッドは他に多数マイクがある場合は、かなり極端にローカットしてよい
- ハイハットマイクがある場合もかなり極端にローカット
- 気になる変な音があれば、MIDでカットする (Qを大きくすると範囲が狭くなる)
- 高音が足りない、きつい場合はHigh (treble)で調整する
リバーブ、短いディレイ
- send/returnイフェクトで2つ設定可能
- まずリバーブを試してみよう (キックにはかけないのが普通だが、お好みで)
- 短いディレイはお好みで — 追加するとどう変わるか試すとよい
4. ミックスダウン — ステレオ出力
R16の標準作業手順でマスタートラックにステレオ出力するだけです。マスタリングイフェクト (音圧アップ) をインサートしてもよいでしょう。
これで作業完了です。マスタートラックのファイルはビデオ編集で使うのでPCにコピーしましょう。
5. (発展) 応用イフェクト
R16には8チャネル comp (insertイフェクト) があり、録音時に使うならinput 1-8、再生時に使うならtrack 1-8 に設定できます。
マスタリングイフェクトと同時には使えないので、マスタリングイフェクトも使いたい場合は、以下の作業が必要でしょう。
- compかけてマスタートラックに録音
- マスタートラックを空きトラックにコピー
- insertをcompからマスタリングイフェクトに変える
- コピーしたミックスだけを再生してマスタリング
R16に足りないイフェクトはゲート
ゲートがないので、タムのマイクに入った他のドラムの音を小さくするのは難しいです。タムのトラックのイコライザで高音や低音を下げると軽減できるかもしれません。
以上