本気のチューニング (自分のドラムセット)
自分のドラムセットの場合は時間をかけて調整できます。購入時のヘッドがくたびれてきたら替えどきです。ここでは、ヘッドを外した状態からヘッドを取り付けてチューニング完了するまでの作業の流れを説明します。
チューニングが上手い人に実地で教わるのがベストです。上手い人とは、ドラムの先生、レコーディング・スタジオのドラム係、ドラムテック (日本では職業として未定義かもしれません) などです。
ヘッドの選択
打面 (batter)用と共鳴 (resonance、裏) 用の区別があるのは、スネアとベースドラムです。スネア裏用はsnare sideと呼びます。
- サイズを確認: 各ドラムに小さい文字でサイズ表示があります。スネアはほとんど14インチ、タムは8、10、12、13、14、16などです。
- 好み: 明るい音か暗めの音かなど
- メーカー: Remo、Evance、Ludwig、Aquarianなど — お好みで
好きなドラマーの真似をするのもよいでしょう。
主要メーカーのWebサイト
- Remo: http://www.pearlgakki.com/remo/soundguide.php (代理店) または https://remo.com/products/drumheads/drumset/
- Evance: https://remo.com/products/drumheads/drumset/ (代理店) または https://remo.com/products/drumheads/drumset/
- Ludwig: https://www.nonaka.com/ludwig/products/accessories/index_head.html (代理店) — 種類が少ない、USサイトに詳しい説明がない。
- Aquarian: http://www.tmc-liveline.co.jp/aquarian/snare.html (代理店) または https://www.aquariandrumheads.com/products/
共通の分類
- single ply (重ねていない)、double ply、それ以上(多分ない)、特殊構造 (液体が入っている)、革っぽい素材
- 各plyの厚さ (厚いほどおとなしい音で長持ち) — 薄い方が反応がよい
- コートあり(ざらざら)となし — ブラシをつかうときはコート必要。コートありの方がおとなしい音
- ミュート (muffling)の有無 リム付近(倍音抑制)、中央のパッチの有無 (倍音、長持ち)
- スネア用打面とresonant (スネアサイド)
- ベース打面用、ベースresonant (穴なし、穴あき)
- その他: タム用 (スネアにも使う) — 裏表違うヘッドを選ぶのも面白い (私は batter Remo Pinstripe Clear、reso Remo CS Clearです)
とりつけるドラムとチューニングで音が変わるので、取り付けてみないと最終的な音色はわかりません。レビューやYouTubeのビデオも参考にしましょう (検索キーワード 「ドラムヘッド比較」)。 英語でもよければ、「drumeo drum head review」でYouTube内検索しましょう。
ドラムヘッド交換手順
- 表裏ともヘッドを外す(表だけ交換する場合もある) — 星型に緩めて最後は手でボルトを抜く
- ほこりがあれば乾拭き、緩んでいるネジがあれば締める
- マークの位置を合わせてフープを載せてボルトを装着して手で締める。
- 星型の順に少しずつ締めていく、軽く締めたら体重をかけて新品ヘッドを伸ばして馴染ませる。
- シライミュージックの解説 (ヘッド交換からチューニングまで)
- Drumeoの解説 YouTube内で「drumeo tuning」
ベースドラムのチューニング
- 点検掃除してから、打面ヘッドをつける。
- フロントヘッドをつける前に、穴をあける(必要な場合)。ミュート(muffling)の毛布やミュート器具を取り付ける。
- ヘッドに皺がよらない程度まで締める。打面は音色と跳ね返り具合で締め具合を決める。
タムのチューニング
タムとスネアは元の音程を記録しておきましょう。ピアノやギターのC、F等の音だよとわかります。ただし、ヘッドの種類を変えると同じ音程には戻せないことがあります。
- 点検掃除してから、両面のヘッドをつける (resonantだけをつけて先にチューニングしてもよい)
- ふわふわの毛布や座布団の上において打面をミュートして、裏面をチューニング (表が先でもよい) — ヘッド中央に指を置いて、各ボルト付近を軽く指かスティックで叩いて、音程をそろえながら、あわせたいピッチにする。
- 逆にして打面をチューニング
- 3つのタムを概ね完全4度間隔等、つかいたい音程差にあわせる。
- ドラムセットに戻して再調整する。
- 緩んでくるので、使う度に音程を確認する (ピアノ等で音名を記録しておくとよい)
難しいところ
- 音程の認識 — 倍音でとらえピアノ等で音名を確認する。Tune Botを使う。
- 表と裏の音程 — 複数の流儀がある (裏が表より低め、同じ、高め)。色々ためそう。
スネアのチューニング
裏ヘッド (スネアサイド) はとても薄いので引っ掻いたり、スティックで叩かないように注意しましょう。強いオープンリムショットを使うとボルトが緩む場合は、このさいに緩みどめを装着してみるとよいでしょう。各ボルト付近の音程合わせはタムのときと同様です。
- 古いヘッドを外す前に張り具合を確認しておく (緩めるときに何回キーを回した等)。
- スネアワイアを外した状態で音程を記録しておく。
- 裏ヘッドを均等にそこそこ張る (元の張り具合を参考に) — 意外と強く張る必要があるでしょう
- スネアワイアを正しくとりつける。スネアを水平にしたときに均等に垂れ下がるように。
- 打面ヘッドを取り付けて、裏をミュートして音程を合わせる (ヘッドの種類を替えたら元の音程にできないことがある)
- スネアスタンドに置いて、スネアワイアを張った状態も含めて調整
- ドラムセット全体に馴染む音か確認
- 必要ならミュートを追加する
難しいところ
- なかなか気に入った音にならない — 近くと遠くで録音して聞く (ドラマーが聞く音と違うかもしれない)、打面を少し締めてみる。
- 濁ったような倍音 — 打面の各ボルト付近を指で叩いて音程を揃える
- カーン、コーンとか耳障り — 軽くミュートして録音で比較してみる。ミュートなしで意外と問題ない場合もある。
- スネアワイアが鳴りすぎる — 裏ヘッドを締めてみる。ストレーナーを締めすぎると打音が詰まってしまう。裏ヘッドを軽くミュートしてみる。
以上
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