著作権の分類、私的利用等の例外
日本の著作権法の簡単な解説です。特に音楽に関わることを説明します。なお、ネットワークで公開する場合は、各国の著作権の扱いの違いに注意する必要があり、趣味の音楽活動でも、色々注意すべきことがあります。
最近ではPPAP (環太平洋パートナーシップ協定) により2018年12月30日からの変更点があります。
- 保護期間がすべて70年になった (映画以外は50年だった) — ただし、まだ50年を迎えていないものの延長
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著作権等侵害罪の一部非親告罪化 — 侵害を受けた人からの訴えがなくても刑事扱いになる可能性が高まった (悪質な場合)
民事訴訟は元々侵害を受けた人が告訴しないと発生しない。これは刑事事件としての扱いの変更です。
著作権法の原文を http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0100/ で検索して読んでみてください。
著作権法の概要
公益社団法人 著作権情報センター(CRIC)の「著作権って何?」 http://www.cric.or.jp/qa/hajime/index.html を参考にして解説します。
- 知的財産権は、著作権と産業財産権に分類され、著作権は著作権法、産業財産権は複数の法律で定められている(登録は特許庁)。(知的財産権すべてを扱う法律はない)
- 音楽 (歌詞、メロディー等) は著作物の一種である。届け出の必要はないが、商業音楽は著作権管理団体に登録することが多い。
- 著作者人格権 (氏名表示権、同一性保持権など、死後または法人の解散まで保護)、著作権 (財産権) の保護期間は70年 — 歌詞、メロディー等
- 著作隣接権は、演奏者、レコード会社等の財産権 (実演者には人格権) のこと — 音源の権利
市販譜面は、3の使用料を払って作られた出版物です。楽譜のコピー問題に関する情報は、楽譜コピー問題協議会 https://www.cars-music-copyright.jp/index.html にあります。
断りなく使用できる範囲 (例外)
- 正当な引用 — 説明のために必要な必然性、全体のごく一部(文章の場合1/3未満が目安)、原文(原音)のまま、出典を明示かつ引用範囲を明示
- 教育の例外 — 学校の授業で聴かせる、譜面の一部をコピーして配る (クラブ活動ではだめ)
- 私的利用 — おおむね家族の範囲 (恋人はだめ)
たとえば、オーケストラの発表会で全員がコピー譜面を使っていることが明らかになると問題になるでしょう。また、喫茶店等でのレコード再生には使用料が発生します。音楽教室での市販音源の使用、講師の模範演奏についても使用料が請求されています。
以上
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