2. システムの構成 (その1 機器の接続形態)
1. 小規模 (結婚式披露宴の余興程度) — ドラムは生音
- ドラムにPAは使わない — それでも音量がありすぎる場合は
- ミュート、軽く叩く (なれないと難しい)
- 小音量用の特殊なスティック
- ステージモニターがないのでボーカルが聞こえにくい
- スピーカーを少しうち向けにする、ボーカリストよりステージ奥に
- ハウリングしやすくなるので注意
- ミキサーにモニター出力があれば、モニター用スピーカーを1本から2本追加する (オプション)
- スピーカーを少しうち向けにする、ボーカリストよりステージ奥に
- ボーカリストはマイクに近づいてしっかり大きな声をだすよう心がける
- 真後ろのドラムの音がボーカルマイクで拡声される
- ドラムの前から少し離れてみてもよい
- 使わない曲ではコーラス用のマイクの音を下げる (切る)
2. 中規模 — モニター付き、音量もアップするが、低音用スピーカーなし
- キーボード、アコースティックギターもPAで鳴らせる
- 電子ドラムは低音が薄くなるがなんとか
- 生ドラムのキックの音が弱ければボーカルマイクで拾う (低音はあまりでない)
- 小さいライブハウスではこの程度の場合がある
3. ライブハウス程度の規模 (学園祭屋外、体育館ステージ規模)
学校内には音楽に使えるPAシステムはないので、オペレータ込みでレンタルする。プロを呼んだら、アーティスト側がPAを持ち込むことになるでしょう。
- 低音がしっかり出るスピーカーですべての楽器の音をPAから出せる
- ドラムの集音 — ライブでは他の楽器の音を拾ってしまう
- キック
- スネア
- オーバーヘッド (左右)
- (タム) ステージが広くて、マイクとチャネルに余裕がある場合
- 客席で聞く音
- ドラム: 生音とPAからの音の両方 (会場が小さい場合は、PAからの音は控えめ)
- ボーカル: PAからの音だけ
- キーボード: 主にPAからの音 (アンプは奏者モニター用)
- エレキベースギター: アンプからの音とPAからの音の両方 (比率はハウスのオペレーターと良く相談する)
- エレキギター: エレキベースと同様
- ステージで聞く (聞きたい) 音 — 複数の比率でミックスしたモニターを用意
- リードボーカリスト — 最重要モニター
- モニター: なんといっても自分の声、キーボード、アコースティックギターなど
- 他の音は直接聞こえるので小さめ
- コーラス担当ボーカリスト
- モニター: リードボーカルと同様、ただし自分の声が大きめがうれしい
- 現実には自分用のバランスのモニターは困難
- ドラマー — ドラマー用ミックスのモニターが欲しいが、ないハウスもある
- 自分のドラムの音が大きい
- モニタ対象: ボーカル、他の楽器の直接聞こえにくい音、ドラム音はなし、またはわずか
- ドラム横のモニタスピーカーで大音量をださないほうがよいのでできればIEM (イヤフォン)使用
- IEM使用: ミックスバランスハウスのオペレータと相談
- ベーシスト — 専用モニターの設置は困難 (ボーカリスト用モニタと同じ音になることが多い)
- 主にベースアンプの音で自分のパートを確認
- PAにはDI直結が一般的だが、アンプのスピーカーにマイクを設置することもある
- モニター: ボーカル、他に聞こえにくい楽器の音
- ギタリスト — モニターはベーシストと同様
- ギターアンプのスピーカー前にマイクを設置
- DI出力があるアンプはPAに直結
- キーボード奏者
- キーボード奏者用モニターミックスがない場合自分の楽器の音が聞こえない (特に電子キーボード)
- その場合、モニター用にキーボード用アンプを置いてもらうとよい。
- リードボーカリスト — 最重要モニター
4. コンサートホール規模 — モニターが重要
ホール常設のPAシステムを使う場合と、アーティスト (スタッフ) がPAシステム一式を持ち込む場合がある。
- 中規模と同様のシステムだが、チャネル数、音量、モニターミックスのチャネル数が充実
- ドラムには8本以上のマイクを立てる
- アクリル板等で遮音する場合もある
- ステージが広いので、例えば左右に離れているギタリストとベーシストにはお互いのアンプの音が聞こえない
- 近年はボーカリストはIEM (自分で用意する) をワイヤレス接続するのが普通
- 最新のディジタルミキサーでは、パート別、チャネル別の音をステージにディジタル伝送
- 各演奏者が自分で設定 — 各パートの音を好みの比率でミックス
- サウンドチェック、リハーサルに時間をかける
- 専属PAオペレータが操作する場合は色々融通が効く
- ギターソロで音量上げて
- 歌の一部にイフェクトをかけて
以上