3. PAオペレータのお仕事 (Yamaha Pro Audioのビデオ教材より)
How To Mix Live Music by Yamaha, 2018
ヤマハ | How To Mix Live Music - トレーニング/サポート
偶然みつけた良い資料がありました。YouTubeビデオ 24編 (英語) で構成されています。字幕 (設定歯車で日本語) を出してよみましょう。日本語字幕は自動翻訳ではなく、日本語で入力されたもののようで、十分意味がわかります。
特にドラムに関係が深い内容に絞って見どころを解説します。内容は、PAオペレータの立場での説明なので、演奏者の立場で理解しましょう。
採りあげるビデオ
- Chapter 4: マイク
- マイクの位置が重要
- ダイナミックマイクとコンデンサ(ー)マイク
- 単一指向性 (カーディオイド) — ステージではこれ
- Shure SM57
- ドラムのオーバーヘッドはコンデンサーマイク
- (7:40から)ドラムのマイキング — まずキックから
- Chapter 7: ハイパスフィルター
- MGPでは100Hzから下を緩やかにカット、40Hzはかなりよわく、20Hzはほぼなし
- ステージでは、余分な低音を多く拾うのでHPFは必須
- 大人数のバンドではキーボードにもHPF
- ボーカルもHPFですっきり
- HPFの周波数や特性を変更できるミキサー — 音が変わる寸前までカットオフ周波数を上げる
- Chapter 10: ドラムのEQ — これは全部重要
- EQの使い方 — 4バンドの例、ローシェルビングで低音削る
- タムマイクがあるときとないとき — マイク数で使い方が違う
- ハイハット — 低域、スネアカット、高音アップ
- Chapter 16: AUX — モニターミックスの話
- Pre-faderとPost-faderの違い
- IEMにはステレオでモニター音を出したい (実際にできるかは設備次第)
- AFL (After Fader Listen) — P(ost)FLの表示と同じ
- (4:50) 各プレイヤーがモニターしたい音
- 小規模会場では、モニターの音は小さめに
- 客席PAの音もかなり聞こえるので、客席PAの音を出しながらAUXを調整する
- (7:00) サウンドチェックのときのリクエスト対応 — 聞こえない音を上げるより、他を下げる
- AUXは通常EQの後
- 大規模会場ではモニター専用のミキサーとオペレータが用意されている
- EQはブーストよりカット
- Chapter 18: コンプレッサー
- 昔はミキサーに内蔵コンプレッサーがなかった — 外付け (MGPはアナログミキサーだが付いている)
- パンチ、目立つように — ボーカル、メロディー楽器、ドラム、ベース
- ディジタルミキサーの例
- Thresholdの調整 — 効くレベルまで下げる
- Ratio — ライブでは8:1より上げることはない
- Attack — ボーカルやメロディでは5msecから短め、ドラムは20から30msec
- Release — スムーズなボーカル等は100 msec以上、ドラムや速いギターはアタックの2倍以上 40から80 msec
- Output Gain — 減った分だけ上げる
- Knee — Soft/Med/Hard
- 難しければ、1ノブコンプを使いましょう
- ライブではかけすぎに注意
- Chapter 19: ノイズゲート
- 昔のミキシングコンソールに内蔵ゲートはなく外付けだった。1990年代中ころからのディジタルコンソールに搭載
- ときどきしか鳴らさない楽器のマイクには余分な音がいっぱい入るので、それを消したい
- 大きい音と小さい音がはっきり区別できる楽器、
- 特にキックドラム、タムに有効
- スネア (特にブラシ)、ボーカルなどにはあまり役立たない
- タムに独立マイクがあるときに使おう
- 極端に切るタイプのゲートの説明 (エクスパンダではない)
- パラメーター (タム用)
- Attack time: 0から0.1 msec
- Hold time: 20から50 msec (すぐ音が小さくなってもゲートを開けておく時間)
- Decay time: 100から200 msec (Holdの後音が消えるまでの時間)
- 一番調整が難しい
- サウンドチェックのときにドラマーには我慢強く付き合ってほしい
- Chapter 23: サウンドチェック — PAオペレーターの仕事を理解する(参考)
- いままでのまとめ
- 会場のサイズ、客数、音量規制、機材
- バンドが来る前の準備
- 静かな楽器から音出ししてゲイン、EQ、Comp調整 (注: 日本ではドラムから始める流儀も一般的)
- バンドがステージモニターの音量バランスをチェック
- リハーサル — ゲート調整はこのあたりで
以上